稲荷山のお山めぐり

所在地 京都市伏見区深草藪之内町
祭 神 宇迦之御魂大神、佐田彦大神、大宮能売大神、田中大神、荷田大神 ほか
ご利益

家門繁栄、万福招来、商売繁盛

ほんらい稲荷の神々はいくつかある稲荷山の峯々に祀られていたのですが京都を戦場とした応仁の乱(1467〜77)で稲荷山が焼かれて以降、現在地へ合祀されて移ったのです。ですからそれまでは稲荷山詣でとは稲荷山の峯々に参拝する「お山めぐり」が正式な方法だったのです。上の写真は勝負事にごりやくがあるという「熊鷹社」。

稲荷山の最高峰は一ノ峯ですが、それでもわずか233メートルしかありません。とはいえ一巡するには2時間ほどかかります。それほどきつい坂はないとはいえ、真夏や真冬など季節によっては注意が必要。ただ要所要所に茶店や売店…仏具や供物を売っていて、墓所の花屋とか石屋のような役割もしているらしい…もありますから、寂しいことはありません。

山中には大小の鳥居、石碑、霊狐像、注連縄などで構成される「お塚」とよばれる拝所(大規模、小規模なお社)が無数にあります。参道も無数の鳥居で形成されていますから、よほどの事でもない限り道を外れるということはありませんが、時に概視感(デジャヴ)を味わったり、「狐憑き」のような気分になる方もいるようです。

山の参道や、特に塚の集中している奉拝所の周囲は「石」と「鳥居」「霊狐像」で埋め尽くされており、それぞれの奉拝する無数の神々と企業や個人の祈念、欲望が渦巻くカオスとなっている。
「一ノ峯」は「稲荷上ノ社」ともいう。現在の祭神は「末廣大神」となっているが、かつては「大宮能売大神(本地:十一面観音)」が祭神で、狐の「小薄(本地:普賢菩薩)」の末社があったという。ご神体は手前写真の巨石であった。

左の「二ノ峯」は「稲荷中ノ社」ともいう。現在の祭神は「青木大神」となっているが、かつては「佐田彦大神=猿田彦神(本地:千手観音)」が祭神で、狐の「黒尾(本地:弥勒菩薩)」の末社があったという。手前写真の「三ノ峯」は「稲荷下ノ社」ともいう。現在の祭神は「白菊大神」となっているが、かつては「宇迦之御魂大神(本地:如意輪観音)」が祭神で、狐の「命婦・阿古町(本地:文殊菩薩菩薩)」の末社があったという。他にも「間ノ峯」の「荷田社」、四ツ辻上の「田中社」などが各峯に立つ。

見事に続く鳥居の道。ほとんどが企業の奉納。しかし管理は大変なようで、専門業者の方の話では個々の鳥居は本来2〜3年に一度は塗装が必要らしいが、最近は5〜6年に一度の割に減っているそうだ。
手前写真は眼力社(眼力亭)の霊狐。躍動感のある美しい姿だ。

四ツ辻の茶店から眺める京都市内。右端に見える山は愛宕山。次回の取材先は、あの山だ。ひとくち稲荷はとてもおいしかった。

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