浄心門・神変堂

所在地 高尾山1号路
祭 神 神変大菩薩(役小角)、妙童鬼、善童鬼
ご利益 健脚祈願・腰痛平癒

高尾山の1号路を登って最初にくぐるのが、この浄心門です。この門をくぐるとさすがに気持ちが引き締まります。写真は門をくぐってすぐ左にある神変堂の前から振り返って撮ったものです。

神変堂には修験道の祖といわれる役行者(えんのぎょうじゃ)が祀られており、中には役行者とその身の回りの世話をしたという前鬼(善童鬼)・後鬼(妙童鬼)の像があります。解説版では妙童鬼、善童鬼が逆になっています。
役行者は役小角(えんのおづぬ)ともいわれ、小角とは神事で使われる楽器のことです。

役小角は厳しい山岳修行を積み、空を駆け巡るほどの験力を身につけ、多くの山を修行の場として開山し、その意志に従わぬ神(葛城山の一言主神)さへも呪縛しました。

神変大菩薩とは寛政十一(1799)年、光格天皇から役小角に贈られた名です。役行者は国から正式に認定された僧ではありませんでしたが、天に昇って(死んだわけではないらしい)約千百年経ってから神(菩薩)になられたわけです。一方では彼を仙人の一人と考えた人達もいました。

私は信心深い方ではありませんが、山の上り下りの際には「今日も一日、怪我をしませんように」「今日も無事下山できました」という思いを込めて挨拶することにしています。

神変堂(じんべん、しんぺん)。1号路入口にも不動院別院など、いくつかのお堂や祠がありますが、登山道を登りはじめてから最初に目に入るお堂です。神変大菩薩の額の文字は佐藤栄作氏によるものです。ぜひ近寄って確認してみてください。

役行者に従った鬼の夫婦。解説板によりますと右が妙童鬼=前鬼、左が善童鬼=後鬼となっていますが、これは明らかに間違いで妙童鬼が後鬼、善童鬼(前童鬼)が前鬼です。
なぜならば前鬼は斧で道を切り開くのが役目ですから善童鬼が前にいるのが当然なのです。妙童鬼は水瓶を持って女性の大事な部分を踵で隠しています。
しかもこの像は本来、阿(あ)形の善童鬼が右に、吽(うん)形の妙童鬼が左に位置するのが一般的です。
といってケチを付けても致し方ありませんので、あまりこだわる必要はないのかも知れませんが…。
ちなみに、この鬼達の子孫と名乗る人々は吉野と熊野の境界(前鬼の里)や日光古峯ヶ原などで上人となったり行者の世話を焼く仕事に携わっているということです。詳しくは「神変堂の前鬼・後鬼」をお読みください。

右が神変堂に奉納する一枚歯のミニ下駄。左の俊源大徳は室町時代に京都の醍醐寺三宝院から入山して薬王院を中興したといわれるお坊様で、四天王門の手前に尊像が祀られています。
一本歯の下駄は、天狗が履いていますが、実際に山岳行者がよく利用したらしく、二枚歯の下駄に比べ、山道を歩きやすいという話です。ちなみに三枚歯の下駄は花魁(おいらん)が道中に履くものです。同じ高尾でも高尾太夫が履いていたというわけです。

神変堂のすぐ先に立っている「殺生禁断」の石碑。「いよいよ聖域に入りますよ」という警告板のようなものですね。
本来はここで馬などから降りなければならないのですが、今は関係者(お寺や茶店、緊急車両、工事関係など)の車もこの脇を通ります。

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