飯縄大権現社・大小天狗社

所在地 高尾山1号路 飯縄権現堂向かって左脇
祭 神 飯縄大権現、大小天狗
ご利益 火伏(ひぶせ=火防)、健脚

天狗はもともと仏敵で人間に禍をなす妖怪でしたが、修験道に吸収されて山の守り神となりました。当然高尾山でも「良い天狗」として扱われています
結局、高尾山ではお社(やしろ)に祀られているわけですから「社に祀られている神は全て神である」とおっしゃった明治天皇のお言葉に従うしかありません。
しかし、つい最近まで高尾山のアイドルといえども「天狗倒し」や「天狗つぶて(やにつぶて)」などの話がまことしやかに語られていたのです
(『中学生からの質問(高尾山の天狗について)に答える参照)。

しかも、もともと高尾山の天狗は嘴を持った烏天狗(小天狗)だったのですが、鼻の高い大天狗が駅前でも土産物店でも幅をきかせるようになってしまいました。
ただ、山内ではまだまだ烏天狗も鼻高天狗とペアで祀られているのが救いです。しかも高尾山では続々と天狗さま族が増殖中です。

天狗社の横にある大きな方の社は飯縄大権現社です。
向かいに立派な権現堂があるにもかかわらずこの社があるということは、かつて薬師堂がメインだった頃(今はありません)、飯縄権現堂はこの程度の大きさだったのではないかと想像されます

長くなるので結論だけ申しますが…つまり高尾山の飯縄大権現は戦国時代から戦神として祀られていたことは確かなのですが、現在のように薬王院の本尊としてブレイクしたのは飯縄大権現が火伏の神として庶民に受け入れられるようになった江戸時代中頃からではないかと考えられるからです。

ここのスペースは広くはありませんが、コースからちょっと外れているせいか土日でも比較的静かで落ち着いており、私の好きな場所です。右手には福徳稲荷社、左には大黒天の板碑があります。
権現堂のカラフルナ彫刻も、じっくり鑑賞できます。

寺院の境内にしては100%神社チック。
しかしお勤めするのはお坊さまなのです。

こちらは天狗社の隣りの飯縄大権現社。じつは民俗学的には飯縄大権現も天狗なのです。しかも顔は烏天狗(小天狗)ですから、この額はなかなか不思議で複雑な要素を含んでいるわけです。
つまり、この社には3体の天狗が祀られているわけです。

一本歯の下駄は健脚を祈って奉納されるものです。
もともと天狗は翼を持っていますし、高い樹の梢にいる場合が多いので、本来は無用の長物なのかも知れません。
しかし、これは山や峰を闊歩する山伏のイメージからきているのでしょう。
山中では一本歯の下駄が、かえって歩きやすいそうです。でも鉄ではさぞかし重いことでしょう。

この面は高尾山では最古のものだそうです。奉納期については昭和2年発行の『高尾山誌』にも「奉納年月日等不詳」と書かれていますのでかなりの時代物でしょう。
現物は客殿に飾ってありますから精進料理をいただく機会がありましたら、ぜひご覧になってください。

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