箱根神社

所在地 神奈川県箱根町元箱根
祭 神 瓊々杵尊(ににぎのみこと)、木花開耶媛(このはなさくやひめ)、彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)、九頭龍権現、蘇我兄弟
ご利益 交通安全、心願成就、開運厄除

上の写真は、芦ノ湖から望む箱根神社の平和の鳥居。右には舟庫、背後に聳えるのは駒ヶ岳、その左奥は神山です。神々が住まうには絶好のロケーションといえます。

祭神は天照大神の孫で国土を平定するために降臨した瓊々杵尊とその妻となった富士山の女神木花開耶媛、二人の子である彦火々出見尊(山幸彦)です。たびたび解説しましたが山幸彦は後に龍神の娘達(豊玉姫と玉依姫)と結ばれ、その孫が天皇家の血筋となるのです。つまりここには、神話の中でも皇室にかなり近い神々が祀られているわけです。

上記三神を箱根三社権現(箱根権現、箱根大神)とよぶのですが、ややこしいことにはこれらの神々は、じつは釈迦、弥陀の二如来であったり、弥勒、観音、文殊の三菩薩であったりと、仏教と神道、さらに修験道の思惑が入り乱れています。つまり、この神社には歴代の天皇や将軍、仙人やら上人らが係わってきたことを物語っています。

しかし、私はここの本質は大蛇(龍)への信仰だと思っています。何より、奈良時代から続くといわれる「湖水祭」が現在でも執り行われているからです。ロープゥェイから見る大湧谷の火山性の景色、荒々しい山並み、そして湖の主…とくればそこに龍神が登場して当然です。ところが、ここの山々に修験が入ってきた。そこでここに霊山信仰が加わってきたのです。

ところが、ここも例に違わず、明治時代の神仏分離令(神道と仏教をはっきり区別して神様と仏様を一緒に奉ってはいけないとされた)によって「箱根神社」という味も素っ気もない名前に改称されてしまいました。

箱根神社の摂社には、この「九頭龍神社」の他に、鎌倉時代の幕開けに父の敵討ち(相手は叔父)で名を上げた五郎・十郎の曽我兄弟を祀った「曽我神社」があります。江戸や明治の時代には、敵討ちを美談して語られ、人気を博していたようですが、よくよく考えますとこの風習には凄惨なものがあります。子供の頃、曽我兄弟の絵物語を見て、なんとなく恐ろしくて嫌な印象を持ったことを覚えています。

本殿までの階段は結構キツい。途中左手に曽我神社がある。右写真は解説版に描かれたイラスト。弟五郎の気迫に押され、兄十郎が渋々付き合っているような表情が可笑しい。
それもそのはずで、曽我神社は当初 「勝名荒神」とよばれ弟五郎だけを祀っていたのです。だいたい、お坊さまが敵討ちの後ろ盾をするとはトンデモナイことですよね。

 

社殿は朱よりも暗い独特な赤。源頼朝の信仰を受けて以来、執権北条氏や徳川家康など、武家に崇敬された。東海道の難所にあることから、庶民からは旅の安全を祈念された。

九頭龍神社(本宮)は芦ノ湖の湖尻近くにあるが、箱根神社の境内にも「新宮」が建立された。右の写真は新宮内部の扉に描かれた二尾の龍。お洒落な日本画だが九頭龍でないのが残念だ。

元箱根は鳥居の目立つ町でした。いつかここで駅伝の選手を応援したいものです。

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