足神社

所在地 長野県上水内郡戸隠村中社近辺
祭 神 足神さん(鬼女お万)
ご利益

足腰の壮健

平安時代の900年代は鬼や怨霊が大活躍した時代でした。伝承によると鬼女紅葉(もみじ)が戸隠の荒倉山で平維茂(これもち)に征伐されたのが968年ですが、この紅葉の副将がこの祠の祭神で、「お万」とよばれたスーパー鬼女だったのです。

お万は23〜4歳の年頃の娘ではありましたが、70人力の力持ちで大変な乱暴者だったといいます。山から薪を切り出し、獣や猿などを素手で打ち殺して売りさばいていましたが、やがて紅葉の配下となりました。また足腰がすこぶる丈夫で一夜に三十里を走り、山を越えた遠くの村々まで出かけては略奪の限りを尽くしました。

紅葉の最期にも勇敢に維茂の討伐軍と戦いますが、やがて力尽きて戸隠の里に逃げ延びます。現在、硯石とよばれている場所で手足の血を洗い、水に写った自分の夜叉と化した顔を見て、お万は世の無常を感じ自らの罪を深く悔います。そこで戸隠勧修院の寛明という僧を頼り、六尺余りあったという髪を落として尼になった後に自ら喉を突いて自害します。

寛明はその最期を憐れみ、お万のなきがらを丁寧に葬ったという場所がこの足神社、通称「あしがみさん」というわけです。地元の人はお万の健脚にあやかって子供たちの足が丈夫になるよう、また自らの健脚を祈って今でもワラジを奉納しています。

お万のぼぼの毛=陰毛(頭髪説もありますが、色は赤くて縮れていたということで…)は非常に長く、千本つなげば江戸まで届くとまでいわれています。「七難(しつな)の毛」伝承の一つですが、それほど人並み外れた呪力を持つ女性だったということでしょう。

このように小ざっぱりしたお社になったのは比較的最近のことだそうです。
社の左隅には真新しい草鞋(ワラジ)が供えられていた。今でも地元の人から「足神さん」は慕われているのです。

健康的で逞しそうなお万のイラスト。

近くの荒倉山には紅葉一党が潜んでいたという岩穴がある。お万もここに住んだのでしょうか…。

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