明王系

ほとんどの明王は恐ろしい憤怒の形相をしています。仏教に敵対する神や人々を罰するためです。
その怒りは身体から炎を吹き上げるほどです。これは私たちの煩悩を焼き尽くすためです。
つまり、私たちに対する深い慈愛がこのような姿となっているのです。
ああ、ありがたいですねぇ



東京都日野市 高幡不動尊のおふだ
俗にいう「お不動さん」とは、この不動明王のことです。
もともとはヒンズー教のシヴァ神なのですが、密教に取り入れられ、大日如来の使いまたは化身として
人間の全ての罪を消滅させてくれるという非常にありがたい仏です。
下から「ウチの親分は頼りになるなぁ」という様子で見上げているのはこんがら童子(右)とせいたか童子(左)です。
童子といっても子供ではありません、本性は恐ろしい鬼神です。不動明王には三十六の童子が従っています。
ちなみに、高尾山の飯縄大権現は両サイドに大天狗(鼻高天狗)と小天狗(烏天狗)を従えています。

高尾山の不動明王。比較的丸顔のお不動さまです。不動明王の場合は光背の炎をカルラ炎といい、鳥類の神であるカルラ天の吐く炎であると説明しています。高幡不動の炎をよく見ますと鳥の顔が描かれています。これがカルラ天です。ほとんどは曖昧に描かれていますが、だいたい不動明王の背後には鳥っぽい炎があります。
ちなみにカルラ天とはガルーダのことで、インドネシア航空のマークにもなっています。

目黒不動尊のおふだ。
密教の、特に修験道における最も尊崇されている神仏がこの不動明王です。ですから、火を焚きながら神仏に祈る修法・護摩(ごま)供も、不動明王に対して祈る場合が多いのです。
火祭りなど、屋外で焚く護摩を紫柴(さいとう)護摩といいます。これも修験道の特徴です。かつては芥子(けし)や麻(大麻)なども火にくべていたという話もあります。そうして神仏の声を聞いていたのかも知れません。

相模・大山寺の不動明王。
鎌倉時代から武将や庶民の尊崇を受けた鉄造不動明王。特に左のこんがら童子が、老け顔に描かれています。
立派な台座が人工的で面白いが、その下から水が噴き出しているところが何とも不思議な遠近感を感じさせます。

うすさま(烏芻沙摩、烏枢沙摩)明王とよみます。秋葉山可睡斎のおふだです。足元の二体の象も神様で、聖天さまとして人気のある歓喜天です。この歓喜天はご利益もすごいが、祟ると非常に恐ろしい神。
うすさま明王は、この恐ろしい神を従えるほどの力をもっているのです。
ちなみに歓喜天は、同じ象の女体に化身した十一面観音に惚れていて、彼女にもやはり頭が上がりません。

こちらは善光寺の荒神さま。
「不浄除」とあるので、うすさま明王と早合点しておりましたが、親切な方からご指摘をいただきました。もちろん荒神さま(火伏、竈の神さま)は明王ではありませんので訂正してお詫びいたします。
 
 
 
 
 
 
 
 
   
   
   

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