じゃがいもを食べたときに、舌がピリピリしたり、はっきりとした強い苦味を感じたりしたことはありませんか?
その違和感は、単なる味の問題ではなく「食材の状態を知らせるサイン」の可能性があります。
じゃがいもが明確に苦い場合は食べないでください
・強い苦味・舌のピリピリ感 → ソラニンの可能性
・少量食べただけで症状がなければ、過度に心配する必要はありません
(ただし、子どもや高齢者は様子をよく観察してください)
・腹痛・吐き気・下痢などが出たら医療機関へ
こんにちは。日々、病院や保育施設、飲食関連施設へ食品を届けている運び屋ゾエさんです。
仕事柄、扱う野菜の状態や鮮度には常に気を配っており、「見た目は普通でも中身は違う」というケースを数多く見てきました。じゃがいもの苦味も、その代表例のひとつです。
じゃがいもの苦味には、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、調理不足などによって感じる軽い「えぐみ」や「アク」。これは主にシュウ酸などによるもので、適切に処理すれば健康への影響はほとんどありません。
もうひとつが、ソラニンやチャコニンと呼ばれる天然毒素による苦味です。これらは芽が出た部分や緑色に変色した皮の周辺に多く含まれ、摂取すると体調不良を引き起こすことがあるため注意が必要です。
この記事では、じゃがいもの苦味の正体を見分けるポイント、ソラニンの危険性、家庭でできる安全な処理方法、そして保存時の注意点までを、実体験と確かな情報をもとにわかりやすく解説します。
「これ、食べて大丈夫?」と迷ったときの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
結論:じゃがいもが明確に苦い場合は食べないでください
じゃがいもを食べたときに、はっきりとした強い苦味や、舌がピリピリするような刺激を感じた場合は、そのまま食べ続けないでください。
その苦味は、ソラニンやチャコニンといった天然毒素による可能性があります。
- 強い苦味・舌のピリピリ感がある → 食べない
- 少量食べただけで症状がなければ、過度に心配する必要はありません
- 腹痛・吐き気・下痢などの症状が出た場合は、医療機関を受診してください
- 子どもや高齢者が食べた場合は、症状がなくても体調をよく観察しましょう
「もったいないから」「調理した後だから」と無理に食べることはおすすめできません。
苦味を感じた時点でやめる判断が、もっとも安全です。
苦いじゃがいもを食べてしまった場合の症状と対応
じゃがいもを食べた際に、強い苦味や舌がピリピリするような刺激を感じた場合は、ソラニンやチャコニンといった天然毒素を摂取してしまった可能性があります。
摂取量や体質によって差はありますが、以下のような症状が現れることがあります。
※ 症状はすぐに出る場合もあれば、数十分〜数時間後に現れることもあります。
- 腹痛
- 吐き気・嘔吐
- 下痢
- 頭痛
- めまい・倦怠感
食べてしまったときの対処法
苦いじゃがいもを食べてしまった場合は、まずそれ以上の摂取をすぐに中止してください。
少量食べただけで症状がなければ、慌てる必要はありません。
無理に吐き出そうとすると、喉や食道を傷つける恐れがあるため避けましょう。
体調に変化がなければ、安静にして様子を見てください。
ただし、腹痛や吐き気などの症状が出た場合や、症状が強い・長引く場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。
特に子どもや高齢者は影響を受けやすいため、早めの受診が推奨されます。
なぜじゃがいもは苦くなるのか(原因と見分け方)
じゃがいもの苦味には、大きく分けて2つの原因があります。
ひとつは、調理不足や下処理が不十分な場合に感じる「えぐみ」や「アク」です。
これは主にシュウ酸などによるもので、適切に処理すれば健康への影響はほとんどありません。
もうひとつが注意すべき苦味で、ソラニンやチャコニンといった天然毒素によるものです。
この場合の苦味は、はっきりと強く、舌がピリピリするような刺激を伴うことが多いのが特徴です。
どんなときにソラニンは増えるのか?
ソラニンやチャコニンは、じゃがいもが以下のようなストレスを受けたときに増加します。
- 日光に長時間さらされた
- 保存中に芽が出た
- 傷がついた
- 長期間放置された
特に、皮が緑色に変色している部分や芽の周辺には、これらの毒素が多く含まれています。
見た目や味で分かる危険サイン
- 皮や表面が緑色になっている
- 芽が深く伸びている
- 食べたときに明確な苦味や刺激を感じる
これらに当てはまる場合は、加熱調理をしていても安全とは言えません。
苦味を感じた時点で、食べるのをやめる判断が重要です。
なお、じゃがいも以外の野菜でも、強い苦味が食中毒につながるケースがあります。
ズッキーニやきゅうりなどで問題になる「ククルビタシン」については、以下の記事で詳しく解説しています。

ソラニンとは?じゃがいもに含まれる天然毒素の正体
ソラニンやチャコニンは、じゃがいもが病気や害虫から身を守るために作り出す天然の防衛物質です。
通常の状態で適切に保存・調理されたじゃがいもであれば、健康に影響を及ぼす量ではありません。
しかし、保存状態が悪かったり、日光にさらされたりすると、これらの毒素が増加します。
特に、皮が緑色に変色した部分や芽の周辺には、ソラニンが高濃度で含まれていることがあります。
なぜソラニンは危険なのか
ソラニンは消化器系や神経系に刺激を与える性質があり、一定量を摂取すると腹痛や吐き気、下痢などの症状を引き起こすことがあります。
加熱しても安全にならない理由
注意が必要なのは、ソラニンやチャコニンは熱に強いという点です。
加熱調理をしても、完全に分解・無毒化されるわけではありません。
「しっかり火を通したから大丈夫」と判断せず、苦味や違和感がある場合は、食べない判断が最も安全です。
じゃがいもの安全な保存方法と正しい処理

じゃがいもを安全に食べるためには、保存方法と下処理が非常に重要です。
保存環境が適切でないと、ソラニンなどの毒素が増加しやすくなります。
安全な保存環境のポイント
じゃがいもは、以下の条件を満たす場所で保存するのが理想です。
- 直射日光が当たらない暗所
- 涼しく風通しの良い場所
- 高温多湿を避ける
家庭では、新聞紙に包んで冷暗所に置く方法が一般的です。
冷蔵庫での保存は低温障害を起こす可能性があるため、長期保存には注意が必要です。
調理前の正しい処理方法

調理する際は、以下の点を必ず確認してください。
- 芽は根元から深く取り除く
- 緑色に変色した部分は厚めに切り落とす
- 全体が緑色の場合は食べずに廃棄する
アク抜きは、えぐみや風味を和らげるための下処理であり、ソラニンを安全なレベルまで除去できる方法ではありません。
苦味を感じるじゃがいもは、処理で何とかしようとせず、食べない判断が必要です。
子どもや高齢者がじゃがいもで食中毒を起こしやすい理由
子どもや高齢者は、じゃがいもに含まれるソラニンなどの毒素の影響を受けやすいとされています。
これは、消化器官が未発達であったり、体の解毒機能が低下していたりするためです。
少量であっても、体調不良を引き起こす可能性があるため、特に注意が必要です。
家庭でできる安全対策
- 芽や緑色部分があるじゃがいもは使用しない
- 苦味を感じたら大人が味見して確認する
- 違和感があるものは無理に食べさせない
加熱調理をしていても、ソラニンを完全に無毒化できるわけではありません。
「少しなら大丈夫」と自己判断せず、安全側に倒した判断を心がけましょう。
じゃがいもの品種による違いはある?
じゃがいもには多くの品種があり、品種によってソラニンの含有量に差があることが知られています。
一般的に流通している「男爵」や「メークイン」などは、適切に管理されていれば比較的安全性が高いとされています。
一方で、家庭菜園で栽培されたじゃがいもや、保存状態が悪いものは、品種に関係なくソラニンが増加する可能性があります。
そのため、品種だけで安全性を判断するのではなく、
- 保存状態
- 見た目の変化
- 味の違和感
を総合的に見て判断することが重要です。
よくある質問(じゃがいもの苦味と安全性)
- じゃがいもが少し苦い程度なら食べても大丈夫ですか?
-
はっきりとした苦味や舌がピリピリするような刺激を感じる場合は、食べないでください。
一方で、軽いえぐみ程度であれば、下処理不足が原因のこともあります。ただし、「少しでもおかしい」と感じた場合は、無理に食べない判断が最も安全です。
- 苦いじゃがいもを少量食べてしまいました。大丈夫でしょうか?
-
少量食べただけで、腹痛や吐き気などの症状が出ていなければ、過度に心配する必要はありません。
ただし、数時間は体調の変化に注意し、症状が出た場合は医療機関を受診してください。子どもや高齢者が食べた場合は、症状がなくても念のため様子をよく観察しましょう。
- 加熱すればソラニンは安全になりますか?
-
いいえ。
ソラニンやチャコニンは熱に強く、加熱調理をしても完全に無毒化することはできません。「しっかり火を通したから大丈夫」と考えず、苦味を感じた時点で食べるのをやめてください。
- 芽が出たじゃがいもは、取り除けば食べられますか?
-
芽の部分にはソラニンが多く含まれています。
芽を根元から深く取り除き、周囲に変色や苦味がなければ使用できる場合もあります。ただし、全体が緑色になっているものや、苦味を感じるものは廃棄してください。
- 緑色になったじゃがいもは、皮を厚くむけば大丈夫ですか?
-
一部だけが薄く緑色になっている場合は、その部分を厚めに取り除くことで使用できることもあります。
しかし、広範囲に緑色が広がっている場合や、苦味がある場合は食べない方が安全です。 - 家庭菜園のじゃがいもは市販品より危険ですか?
-
家庭菜園のじゃがいもは、栽培中や収穫後に日光に当たりやすく、ソラニンが増えやすい傾向があります。
市販品であっても保存状態が悪ければ同様のリスクがあります。家庭菜園・市販品に関わらず、見た目と味の違和感で判断することが重要です。
まとめ|苦味を感じたら「食べない」が最も安全
じゃがいもに含まれるソラニンやチャコニンは、条件次第で健康被害を引き起こす可能性がある天然毒素です。
特に、強い苦味や舌のピリピリ感は、危険を知らせる重要なサインです。
調理方法や加熱で安全になると考えず、違和感を覚えた時点で食べない判断をしてください。
少しでも不安を感じた場合は、「もったいない」と思わず廃棄することが、最も確実な安全対策です。
なお、同じイモ類でも、さつまいもの苦味や『まずい』と感じる原因はまた異なります。カレーなどに入れて味に違和感がある場合は、こちらの記事も参考にしてください。
※ 苦味=すべて危険というわけではありません。
